昔、私のおばあちゃんがまだ生きていた頃のことです。
おばあちゃんはニコニコしながらよく私に話しかけてくれました。
「さーちゃんはすごいねえ。頑張るねえ。」
言ってもらえた私は褒めてもらえた!
確かに嬉しい、嬉しいんだけど…
褒められる。
その度に、いつも口の中がムズムズして
痒くなるような、気持ち悪さを感じていました。
目次
褒めて伸ばす子育ては難しい…難しい、と思って子供を褒めると逆効果
【褒めて伸ばす子育て】
ここ最近ではとても多く話題になる子育ての方法で、実践されている方も多いと思います。
そして子育てをしていると『上手くゆかない!』と感じることも多くあると思います。
【褒めて伸ばす子育て】は、私も実践しようと思った一人です。
ですが、私は冒頭の通り、”褒められること”を気持ち悪いと感じて育ってきたので、上手に子どもを褒めることができませんでした。
『ここは褒めるところ』と思うところでも上手に褒めて良いところを伝えられない。
どこか無理やり褒めている感じになる。
だから、褒められてた子どもも『無理やり褒めた感』をバッチリ感じ取って反発し、褒められると嫌そうな顔をして「何が?」と言ってくることが増えました。
そして、私は『私は褒める子育てをやめよう』と思うようになりました。
なんと『周りに上手く褒めてくれる人がいるから良いや』と思うようになっていました。
そうして、しばらく周りの上手く褒める人々を観察していて”あ” と、気づいたことがありました。
そして、気づいたことを自分でもやってみたら、子供もすんなり褒め言葉を受け入れてくれるようになりました。
気づいてしまえば『なーんだ、こんなに単純なことだったんだ』と思いました。
この記事では私が気づいた、褒める子育ての本当の意味を簡単に書いてゆこうと思います。
褒める子育て方法に悩むあなたにもきっと、なんだそんなに単純なことだったんだ、と気づいてもらえる記事になっています。
これは褒め言葉??「ものすごく頑張っていますよ!」
私に「褒めるってこういうことんだ」と気づかせてくれたのは、子供の小学校の担任の先生でした。
小学校の担任の先生が、うちの息子をものすごく褒めます。
「褒めて伸ばそうと思うんですよ」
と担任の先生は言ってくれています。
その通り、褒めまくりだと私が感じるくらい、褒めてくれています。
実際に、私に話をしてくれた場所は、周りに他の子供たちがいる中でした。
「ほんとうにいろいろなことを頑張っていて、何も言うことはないんですよ。」
「重たいものは率先して運んでくれて助かっています」
「スーパー〇〇君(⇦子供の名前)です」
みんなの目の前で言われた息子は、ちょっと照れていてもとっても嬉しそうでした。
照れて逃げ出すこともなく。
なんとなく、その時に私は気が付きました。
あ、ただ褒めるだけじゃなくて、認めてくれる先生だから息子はこの先生が好きなんだ。
『いろいろなことを頑張っている』
やったことの結果ではなくて、途中の部分をちゃんと認めて、そこを褒めてくれているんです。
結果として『できた、できない』の部分を見て、「できたからすごいね」と褒める「できなかったから次は頑張ろう」と励ますのとは全然違いました。
「頑張ってやっていることがすごいね」という、結果は一切関係のない褒め方を先生はしていました。
一度にたくさんの子どもをみている小学校の先生が、こんな風に一人一人の行動の部分をよく見てくれているのはとてもありがたいと思いました。
だから子どもは毎日学校に行くんだな、と感じるのと同時に、褒めて育てるってこういうことなんだと初めてわかった気がしました。
褒めると子どもが嫌がるのは、実は褒めるところがズレているから!?
子どもを褒めようとすると、良いところを見つけなきゃ、と良いとこ探しを始めてしまいがちです。
私もそうでした。
例えば
「かけっこで一等とったのね、すごいよ!」
「わあ〜、上手に絵がかけたね。」
「お部屋綺麗に片付けたね、えらいぞ。」
この3つに共通しているのは、全部、やったことの結果の部分を褒めています。
私が褒めて子どもを怒らせていた時は、ずっとこの褒め方をしていました。
無理やり結果を褒める。
はっきりとは覚えていないですが、かなり無理のある褒め方もあったと思います。
そこで褒め方を、小学校の先生みたいにしてみようと思いました。
そもそも褒めることが苦手だった私には、最初から小学校の先生のように『認めた上でさらに褒める』ことは難しかったので、まずは『認める』ことから始めました。
褒めることと、認めることの違いは、『褒める』のは結果の部分が多く、『認める』のは過程の部分でもできるという違いがあります。
もう1つの違いは、褒めることには、少なからず何かと比べての評価が入ってきますが、認めるだけなら、比べて評価をしなくてもできるんです。
だから褒められているのは、結果だけなんだ、と感じられて良い結果じゃなければダメなんだと思ってしまうこともあり得ます。
過程の部分には、良い悪いはないので、やったことそのものを認めてもらえたと感じやすくなります。
例えば
「ヒモ靴、自分で履けたね」
「お?片づけ自分でやったんだ」
「今日は早いね」
たったこれだけです。
別に一切、褒めてはいません。
それでも、やったことを見ていてくれた、認めてくれたと子どもは感じたようです。
認める言葉を言って、怒り出すこともなく「それで?」と言われることもありませんでした。
子どもが望むのは、頑張っている過程をちゃんと見て欲しい、やっていることを認めた上で褒めて欲しいということです。
結果だけを見て、褒め言葉だけを言っても、そこに意味はなく全く届いていなかったのです。
伝わる褒め方、伸ばす褒め方、一体どんな言葉を選べばいいの?
まだまだ認める→褒める、をスムーズに言うには一呼吸置いて考える私ですが、1つだけわかったことがあります。
この記事の、最初に書いた私がおばあちゃんからもらった言葉。
嫌だったのは「すごいね」
嬉しかったのは「頑張っているね」
これの順番が逆だったら、全然違ったんじゃないかと思います。
「すごいね〜。頑張っているね〜」
↓↓
「頑張っていてすごいね〜」
使っている言葉は同じなのに、違いますよね。
最初の言い方だと「何がすごいの?」と言いたくなってしまうんです。
後の言い方では、頑張ってることを認めた上で、頑張っていることを褒める言葉になっています。
たったこれだけの違いなんですよね。
気づいた時には自分でもびっくりしました。
褒める言葉、困った時にはこれでOK、おすすめ万能の一言
もう1つ、ものすごく万能な言葉がありました。
それは「ありがとう」です。
以前に私がいた職場は、それなりに忙しく、そこそこの残業もありましたが、職場に行くのが嫌になることはなく、もっと頑張って働きたいと思っていました。
引っ越しがなければずっと働いていたと思います。
そこでは、業務を報告すると、毎回必ず上司が「ありがとう」と言ってくれていました。
(今更気がつきました)
そうなんです。
「ありがとう」という言葉には一言で、そこまでの頑張りを認めてくれるもの、褒めてくれるものが全部入っているんです。
あれこれ考えて言うよりも、たった一言「ありがとう」。
子どもに言う言葉も実はこれだけで全部伝わります。
褒め言葉がうまく浮かばない私は、最初の頃これを使いまくっていました。
「頑張っていたね、嬉しかったよ、ありがとう」
「お布団引いてくれたんだ、助かったよ、ありがとう」
本当に、これだけでした。
たったそれだけでしたが、下手に褒めていた時よりも、子どもはとても素直になりました。
そして私もとっても楽になりました。
褒める子育て、に限界を感じているときは、まずは『認める言葉』から始めてみてください。
きっと、お子さんに良い変化が見えてくるはずです。