先日、子育てについての教育講演を聞いてきました。
非常に声が大きく、マイクの音が割れるくらいに熱血的な先生のお話でした。
主に、子育てについて、親がすること、親の姿勢についてがメインのお話です。
かなりの寝不足だった私は、爆音のような音声を聞きながら半分眠ってきいていましたが、その中でも、これは!!というところはちゃんと聞いてメモを取ってきました。
1時間40分ほどの講演の中にあった、ここを知ってるかどうかで自分も子どもも変われることを書きだしてみました。
その講演を聞いている保護者もみんな、講演を聞いて感じることは違っているはずです。
講演を聞いて感じたこと、
印象に残ったこと、
これは!と感じた事、
ああ、そういう考え方もあるんだ~と感じたこと。
あなたの子育ての先にあるのはどんな未来かを、イメージしながら読んでみてください。
目次
そもそも子育ては迷うものである
お子さんがいる方は、『子どもはこう育てると良い』という子育て本などを、少なくても一冊は読んでみた経験があるのではないでしょうか。
でも本の通りにはうまくゆかない。なぜ??
答えは簡単で、『子育てはうまくゆかないものである』からです。
誰かの言うとおりにやろうとしても、その通りになるのはほんの一握り、それはたまたま、その子にやり方があっていたから。ということが多いのだと思います。
成長の速度は子どもによっていちがっていて、それぞれなのだから、うまくゆかなくても気にしないことが大切です。子どももあなたも、何が悪いのではなくて、たまたまやり方が合わなかっただけ。責めることではないのですね。
誰かのうまくいった体験談を聞いて真似しても、そのやり方があっていればうまくゆきますが、合わなかったら、当然うまくゆかないわけです。兄弟のいるお母さんからは『上の子はこれでよかったのに、下の子は全然だめなの~』という話をよく聞きます。おむつを替えたり、抱っこしたり、手技としては慣れることがあっても、育てるっていうことは、いつでも初めてになるんですね。
あなたの子育て、目指す先にあるものは?
子育てに迷うの中で、『とりあえず勉強しなさい』と言ってしまうことありますよね。
なぜ勉強するのか、の理由を子どもが納得できるように説明できますか?
講演の中で、有名な予備校の先生のお話がありました。
その先生は、
『お子さんにどうなってほしいですか?』
という質問をお母さんにするそうです。するとお母さんは
『勉強していい大学に行ってほしいんです』
と答えます。すると、先生は、その答えに対して
『それはなぜですか?』
と聞きます。お母さんは
『一流企業に入ってほしいからです』
と答えます。それに対してまた
『なぜですか?』
と質問します。と、延々と、答えに対して 『なぜ?』の質問を繰り返すのだそうです。
最後にたどり着く答えは、みんなたった一つ、同じ答えになるそうです。
自問自答、できますので、紙に書き出して質問を繰り返してみてください。
あなたの答えはどこにたどりつきますか?
子育て、育てるその子は、誰のもの?
講演の中で、なるほど!と思った部分でした。
『子供は天からの授かりもの』というけれど、授かりものと考えると、自分のものになってしまう。
そうではなくて、子どもは『預かりもの』であり、いつか返すものである。
という話がありました。では、どこに返すのか。
講演では『社会』である。という話でしたが、どこに返すのかはさておき。
この、子ども、を自分のものと思うか、偶然自分が預かることのできたものと思うのか、すごく重要な感覚かもしれないと思いました。
子どもではなく、単純に自分の持ち物で考えた時、自分のものだから、傷つかないように大切に大切にしておこう、という考えの人もいれば、自分のものだから、どう扱ってもいいや、という考えになる人もいると思います。人によってどちらの思考もあり得ると思います。
では、誰かから借りたものだった場合は?
一般的には丁寧に扱い、きちんと使った後は『ありがとう』と言って返すと思います。
子どもも一人の人間
この感覚、子どもは自分のものと思っている保護者に当てはめると、
大切にするタイプ⇒大切にしすぎて行動を制限する。あるいは、子どもの言いなりになる。
適当タイプ⇒子供には何をしてもいいんだ、虐待などにつながる。
預かりものと認識していれば、子どもは自分のものではなく、いつかは手元を離れてゆくもの、そして丁寧に接するものという感覚になります。
私のところにきて良かったと思って巣立ってほしい、
そんな感覚で子育てができたらとっても幸せな気持ちで過ごせそうだと思いませんか?
逆に、子離れできない親は、子どもは自分のものだと信じて疑っていないんだなあ~と考えながら聞いていました。
子どもは、自分の分身ではなく、個別の一人の人間。誰のものでもなく、成長するまでの間の拠り所として親のところにいるんだと思うと、所有の感覚が消えて、子どもに対して少しゆるっとした感覚になれそうです。
子どもは、親の背中を見て育つ
親が子供は預かりものでいつか離れてゆくけれど、今は精一杯の幸せをと思っていると
子どもはそんな親と同じことをする。離れていても幸せを願うし、幸せをつかむ。
親が幸せそうだったら、子どもも『ああやればいいんだ』って思って、誰に教わるではなく実践します。
親が、子どもは自分のものだと思っている場合、いつまでも子離れできない親になり、
こどももまた、そんな親を見て育つと、親離れのできない子どもになるということです。
そして自分の子供にも同じことをする。
自分の子どもを見て、その行動が、(身内の)誰かにそっくりだ・・・と思う時は多々あります。うちの場合は、父親がいないので、こどもの見ている後姿は、母親の私のほか、祖父母やほかの親族と、一緒に過ごす時間の長い身内が数人います。
よく見ていると、これはばあちゃん、これはじいちゃん、この部分はおじちゃん、おばちゃんの行動だ。と思う部分、ほんとにたくさんあります。
そういえば、自分の母親にも昔は『あんたがどっしり構えていれば、こどもは落ち着くんだよ』と言われてたな~、と思いだしました。
前は、あれはだめ、これもダメ、って口うるさく言っていましたが、今は、ほとんどほったらかしです。何か用があれば、自分で言ってくるようになり、気分の切り替えも早くなって穏やかです。とはいえまだまだ小学生の男の子、やらかすときは、派手にやらかしています。
子どもを育てるときに壁にぶつかったら、まずは自分の行動を変えてみると解決の糸口は意外と近くにあるのかもしれません。
子育ての失敗?『悪い子』に育つ?
『悪いことをしてしまう』ことがあったら親にも責任はあるけれど、『悪い子』はいない。
映像で流れていた言葉ですが、この言葉の映像は涙が出てきました。
『なんて悪い子なんだ』と言われたこと、あなたにはありますか?記憶になくても一度か二度はあるのかもしれません。では、自分が言ったことはありますか?
犯罪ニュースや、詐欺のニュースを見ていて『悪い奴がいるなあ~』という感想を持つことは珍しくないです。悪いことをやったという自覚があるのかどうか、感覚に謎の多い犯人が多いと感じませんか?
子どもが何か悪さをするのは似たような部分が大きいと思いました。
親の気を引くための『こっちを向いて』のサインだったり、どうせ自分なんてと自暴自棄になっていたり。やってしまったことは結果として『悪いこと』だったとしても、悪いことをしている自覚はほとんどないのではと思います。悪い子だから悪いことをしてしまった、ということではないということ。
悪いことをする、のと、悪い子、は別々のことなんだという認識。
うっかりすると、一緒にしてしまいそうですが、そうならないように、悪い子はいないんだという感覚を頭に叩き込んでおこうと思いました。
子どものうちは『挽回できる失敗は、たくさんさせてあげよう』
昔話で『猿蟹合戦』というお話があります。
子どもが保育園のころに、劇をやったのですが、お話の内容がだいぶまろやかになっていてびっくりしたのを覚えています。
内容は、猿が意地悪をして、カニの親が大けがをしてしまいます。そのため、カニの子どもは、栗と臼と蜂の力を借りて、猿を懲らしめ、猿は反省し、悪さをするのをやめました。
という内容でした。
昔は、親ガニも猿も死んでしまうお話で、猿に起きたことは『因果応報』である。という内容だったと思うのですが、現代に合わせてアレンジされたお話からは、子どもに伝えたい内容が、変化しているのだろうと思いました。
自分がやってしまったことをきちんと反省すること(猿)、と、一人ではできないことも、誰かの助けを借りてやり遂げる(カニの子)、の二つの部分を伝えるお話になっていると思います。
失敗から学ぶことは数多くあります。親ができることは、取り返しのつかないことにならないように見守ってあげること本人に興味あることはなんでも、やらせる、応援して背中を押してあげることが、子どもの成長に一番良いと言えそうでした。
子育てで大事なこと『子供を信じるということは...』
教育講演で、一番印象に残った言葉があります。
『子どもを信じるということは、子どもの言葉を信じることではない』という言葉。
『子どもはうそをつく生き物です』自分の都合のいいように物事を変えて話します。
ほんとうだなあ~、と思いました。さも本当に会ったことのように自然に話すので、私も普通に騙されています。時々、この子大丈夫かしら?詐欺師にならないかしら?と思うくらいに家族みんな、あっさりと騙されています。
子どもの言うことは信じない。でも子どものことは信じている。
子どもの可能性、未来、この子は素晴らしい子だ。将来きっと人を喜ばせることのできる子になる。という素敵な未来の可能性を信じてあげること。つまり、この子は大丈夫、そういうことなのですね。
親が信じてさえいれば、いつかは伝わる。遅かれ早かれ。いつか伝わる。どんな未来になるか。期待はしないで信じること、なかなか難しいです。『絶対大丈夫!』と思うことだったらできそうな気がしませんか?
子育てに正解があるとしたら
それは、『子どもが本来持っているやさしさや強さを信じてあげること』なのだろうと思いました。
何をするわけでもなく、その子がもともと持っているものを大切にすること。姿かたちもみんな違って、考え方も、やさしさの表現の仕方もみんな違う。
『周りの人を喜ばせることに喜びを感じられる』と、そこにはもう幸せがあると言えるのですね。
子育てのお手本があるとしたら、それは、穏やかに子どもの未来を信じて、取り返しのつかないことにはならないようにそっと見守ってあげること。なのかもしれません。
『あなたはお子さんにどうなってほしいですか?』
『子どもに幸せになってほしい』
質問を続けると、だれでも最後には、そこにたどり着くはずです。