手作りヨーグルトのビフィズス菌効果は?市販品とは別物って知ってた?

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ヨーグルトといえば、牛乳を飲むとお腹を壊しちゃう人でもお腹を壊さず食べられて、お腹の調子を整えてくれる腸のお医者さん的な食べ物。
  
ヨーグルトといえば、やっぱりビフィズス菌と乳酸菌。
 
と思っている人はたくさんいると思いますが、牛乳からヨーグルトを作る時には、ビフィズス菌は必要ないって知っていましたか?
  

  

手作りヨーグルトだとビフィズス菌が死滅するって知ってた?

職場でのお昼休憩中。
 
丸いテーブルを挟んで、食後のヨーグルトを食べながら先輩がこんな話をしてくれました。
   
『BifiXを食べる内臓脂肪が減るんだって〜、この前、研究結果が発表されていたんだよね』
  
『え!本当ですか??これは食べなきゃ』
 
『いま期間限定で安売りしているしね〜』
 
と、ここでヨーグルトを掬い取って眺める先輩。
  
『でも、自家製にすると、ビフィズス菌って増えないんだよね。当たり前だけど』
  
『え、そうなんですか?・・・あ、そうか!酸素ですね!』

『そうそう、自宅で嫌気培養はできないからね〜、道具持ち帰りはできないから、実験室で作ってみる?(笑)』

『実験室へのヨーグルトの持ち込みはありですか??』

『食べ物としてじゃなければ、アフター5ならありかな。でも家でBifiXをもとにして自家製ヨーグルト作ると、すごく滑らかなのができるんだよね、他に何菌が入っているんだろう?』
 
スプーンでヨーグルトをぐるぐる混ぜる先輩。
  
『増やして何がいるのか、調べてみますか?(笑)』

『それもありだね、乳酸菌見分けられるかしら?』
 
 
ここで一気にヨーグルトを食べ、お昼休憩終了です。
 
 
なんの職場かはおいておいて、専門用語と面白い情報がいっぱい出てきましたが、手作りヨーグルトを作ってビフィズス菌を摂りたいと思っている方には、絶対に聞き流せない情報があったと思います。
 
 
そうです!自宅で作ったヨーグルトではビフィズス菌は増えていないのです!
 
 (嫌気培養=酸素のない状態で、微生物を増やすことです。)

 

自家製手作りヨーグルトでビフィズス菌が増えない理由

  

近年は、ビフィズス菌の持つ効果が大きくピックアップされ、LG-21、R-1、そしてBifiXなど、各メーカーから様々なヨーグルトが販売されています。
   
明治のR-1を食べていた保育園ではインフルエンザを発症した子供が一人もいなかった、というくらい、効果はあちこちで実証されています。 
 
ここで、
「よし!自宅でR-1ヨーグルトを作ろう」
とビフィズス菌入りの市販のR-1ヨーグルトと牛乳を使ってヨーグルトを作ります。
  
確かに、生きている乳酸菌とビフィズス菌は用意できていて、実際にヨーグルトも出来上がります。
 
ところが、出来上がったヨーグルトは市販品とは全く違う、ビフィズス菌の入っていないヨーグルトになっているのです。
 
残念ながら、自家製のヨーグルト作りでビフィズス菌を増やすことはほぼ不可能なのです。
 
その理由・・・
  
それは、ビフィズス菌は酸素のあるところでは増えることができないという性質を持っているからです。
そして、ビフィズス菌が増えるためには、ビタミンや糖など様々な栄養を必要とします。
 
 
ビフィズス菌の性質を人間で例えると、超のつくグルメで、体が弱く、お部屋のお掃除にもうるさいスーパーデリケートなお嬢様です。
  
『牛乳なんて嫌いよ。酸っぱすぎるの(酸が多いのも)ダメ。
 
私に必要なのはたくさんのビタミンと糖質とタンパク質と、お部屋の温度は37度よ、快適に保ってね。
 
酸素は絶対に入れないでよ!!死んじゃうから!!』

  
 
こんな感じです。
 
 
持っている力はすごいけど、個人が自宅でお世話できるようなお方ではないのです・・・
   
 
R-1やLG 21などのように、ヨーグルトで高機能のビフィズス菌の健康効果を得たい場合は、ちょっと大変でも毎回市販のヨーグルトを購入する必要があるのですね。
 
 
ここで、
『え?ちょっと待ってよ!だってヨーグルトはできているよ!これビフィズス菌入りじゃないの?』
と思ってしまいますよね。
 
 
ビフィズス菌入りのヨーグルトをもとにして自家製ヨーグルトを作った時、ヨーグルトができていれば、増えているのはビフィズス菌ではなく、乳酸菌です。
 
元にしたヨーグルトに最初から含まれていた乳酸菌が増えてヨーグルトを作ってくれたのです。
 
ビフィズス菌は酸素がある場所では増えることができず死んでしまうので、自家製のヨーグルトに含まれるのは乳酸菌だけにななるのです。   
 
  
日本ビフィズス菌センター・腸内細菌学会
 
 

ビフィズス菌、いてもいなくても、ヨーグルト

 

国際規格(国連食料農業機構(FAO)と世界保健機構(WHO)が決めたもの)では「ヨーグルトと称される製品は、Lactobacillus bulgaricus(ラクトバチルス ブルガリカス)、Streptococcus salivarius subsp. thermophilus(ストレプトコッカス サリバリウス サブスピーシーズ サーモフィラス)の両方の菌の乳酸発酵作用により乳及び脱脂粉乳などの乳製品から作られるもので、最終製品中には前述の2つの菌が多量に生存しているもの

乳酸菌の科学と技術、乳酸発酵の文化譜

なんのこっちゃって感じですが、ラクトバチルスストレプトコッカスも乳酸菌です。
 
わかりやすくいうと、芝犬もチワワも、犬というのと同じです。
   

上の引用で言っていることは、ヨーグルトを作るのは、乳酸菌ですよ。
しかも1種類だけではうまく固まらないので2種類を一緒に育てて初めてヨーグルトになるよ。
ということです。 
  
 
国際規格では、上記の通りに乳酸菌の菌種が指定されていますが、日本では「牛乳を乳酸菌や酵母で発酵させたもの」ととてもざっくりとした括りになっているので、日本の市販のヨーグルトにはさまざなな乳酸菌が使われています。
そのため市販のヨーグルトのパッケージを見ると品名はヨーグルトではなく「はっ酵乳」になっています。
  
 
国際基準でも、日本でも同じなのは、ヨーグルトを作る時に必要なのは乳酸発酵を行う乳酸菌であるということ。
そして、どんなヨーグルトにも必ず含まれるのは、ビフィズス菌ではなくて生きている乳酸菌になります。
 
 
ビフィズス菌も乳酸菌の一種ですが、ビフィズス菌だけではヨーグルトは作れません。
ビフィズス菌と乳酸菌の関係は、何かに例えるなら、ヒトとチンパンジーのような関係です。 
 
  
市販のビフィズス菌入りのヨーグルトは、乳酸菌で牛乳を乳酸発酵しつつ、さらに、牛乳の中の環境を整えてから生きたビフィズス菌を入れるという、かなりの手間をかけ工夫をして商品化されているのです。
 
ビフィズス菌入りのヨーグルト、実はかなりのテクノロジー製品だったのです!
  
  

ビフィズス菌のいない自家製ヨーグルト、健康効果はあるの?

 

 
上でも書きましたが、ヨーグルトは乳酸菌を使って、乳を発酵させた食べ物です。
手作りヨーグルトでも、ちゃんと乳酸菌は増えていますし生きています。
ただ、市販のヨーグルトと全く同じものができているとは言えないだけです。 
  
 
じゃあ、自宅で作ったヨーグルトに効果ってあるのから?
 
もちろんあります!
   
 
自宅で作ったヨーグルトの中で、どの乳酸菌がどのくらい増えてヨーグルトを作ったか、は見た目にはわかりません。
 
でも、実際に自家製のヨーグルトを食べていて、
”最近お腹の調子、超いいじゃん!”
と、効果を感じるのであれば、手作りした自家製ヨーグルトがあなたのお腹には合っているということです。
 
  
薬にも、効果のある人とない人が別れるように、ヨーグルトにも人によって効果の有無は分かれます。
ヨーグルト、というよりもそのヨーグルトを作った乳酸菌とあなたの相性で、効果が変わります。
 
 
自家製ヨーグルトの良さは、自分で乳酸菌をブレンドして試すことができる点にあります!
  
例えば
 
ヤクルト + ブルガリアヨーグルト
 
それぞれを別々で食べてみたときと、一緒にしてヨーグルトを作ったときと、もしかしたら効果も、口当たりも違うかもしれません。
 
   
 

乳酸菌は生き物、自家製ヨーグルトには失敗もある

 
    
自家製ヨーグルトを作ったら固まらなかった、ということも起こります。
 
それは複数の乳酸菌の相性が悪かった、あるいは、乳酸発酵の適温が異なる乳酸菌が一緒になった、使ったものが牛乳ではなかった、乳酸菌の機嫌が悪い、というように様々な原因があります。
(3つ目の原因は単純に材料をよくみていない私が悪いのですが)
 
乳酸菌も生き物ですから、環境の影響をしっかり受けます。
機械ではないので、自家製ヨーグルトを作るときは、お世話をしてあげる感覚で作ってみてください。
  
たまに違うヨーグルトを使ってみたり、牛乳を変えたら変化が出たり、アレンジが自由自在なのは自家製だからこそです。
  
 
気をつけることは、自家製ヨーグルトを作る時には、清潔を保つことです。
雑菌が入り込まないように器具はしっかり熱湯消毒をしてください。
 
牛乳と市販のヨーグルトで作る場合はヨーグルトメーカーを使用すると比較的安心です。 
注意書きや、賞味期限をよく確認して、雑菌繁殖を予防しましょう。
 
カスピ海ヨーグルトの場合は、密閉した瓶でも作れますが、温度管理にはさらに注意が必要です。
   
腸内の環境は、腸内フローラで良い菌も悪い菌も、様々な菌が一緒に住んでいます。
そして腸の中の環境は、人それぞれで異なります。
 
手作りヨーグルトに期待できるのは、ビフィズス菌の持つ作用ではなく、色々な乳酸菌による整腸作用です。
 

 
 
この記事を読んでくださったあなたは、手作りヨーグルトに興味あり!なんだか面白そう!と思っていますよね^^
  
基本は、混ぜて保温しておいておくだけですが、出来上がると毎回とっても感激します!(私だけ?)
 
ビフィズス菌がいなくても、手作りヨーグルトで自分のお腹にあった、自分のための乳酸菌をバランスよく含んだヨーグルトを、ぜひ作り上げてください。
   

参考:ビフィズス菌BifiX(R)によるメタボ抑制実験結果が科学誌に掲載

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