私が入院中に、ベッドの上で多発性硬化症について、スマホで調べていた時に目に止まった情報があります。
それが、コーヒーを1日900ml以上飲む人は「多発性硬化症」(MS)の発症リスクを3分の1まで抑えることが可能という研究結果です。
目次
多発性硬化症と珈琲の関係
コーヒーで多発性硬化症の予防ができる⁉
現時点では、研究結果は、スウェーデンとカリフォルニアの研究結果、あるいはそれをもとにした考察が多いです。
いずれの研究も、聞き取りによる参加者自身の自己申告に基づくコーヒーの摂取量からの試算、他にはマウスによる動物実験の結果もありました。
多ければいいというわけではなく、飲みすぎは逆に発症のリスクを上げるという観察結果も出ていました。
カフェインの摂取量は、成人では1日400mg未満、1回の摂取量が200mgを超えないようにするべきと提言されています。
カフェイン中毒の危険性もありますから、900mlというのは、多発性硬化症の予防が期待できる下限、かつカフェイン摂取量の上限ということになります。
私がこの情報に注目した理由の1つ。
それは、私が体の異変を感じて入院したとき、その1年くらい前から、飲むコーヒーを、完全にカフェインレスコーヒーに変えていたという事実があるからです。
カフェインレスに変える前は、普通のコーヒーを3杯は普通に職場で飲んでいました。
それが原因とははっきりとはいえません。
ただの事実として、考えた時に、もしかしたらと思ったのです。
多発性硬化症に効果あり(かも)と言われるコーヒー900mlってどのくらい??
スターバックスのカップサイズで例えてみると
ショート(240ml)、トール(350ml)、グランデ(470ml)、ベンティ®(590ml)
ショートサイズなら4杯。
もしくは、トールサイズ2杯とショートサイズ1杯で900ml越えとなります。
コーヒー好きの方なら、トールサイズ2杯くらいは普通に飲んでいる量かなと思います。
ちなみにコーヒー4杯というのは、カフェイン量の目安なので、ブラックコーヒーが苦手な方はミルクを入れたりして自分好みにアレンジしても大丈夫です。
飲みすぎには注意が必要ですが、コーヒーを飲んで発症(再発)の予防になるのであればなんてラッキーという感じで、私は特別な期待せず、日々コーヒーを楽しむようにしています。
多発性硬化症とコーヒーについての文献のまとめ
文献はそこまで多くないですが、英語サイトにも情報があったので載せておきます。
1日に少なくとも4杯のコーヒーを摂取することで、多発性硬化症が進行するリスクが著しく低下する。メリーランド州ボルチモアにあるジョンズ・ホプキンス大学医学部の専門家たちは、このような結論に達した。
出典:コーヒーは多発性硬化症の進行リスクを下げる
ここでいう4杯というのは、スタバのカップで例えたらショートサイズの量のことを指しています。
カフェイン摂取がパーキンソン病やアルツハイマー病の発症リスクを下げることは、既に知られている。コーヒー摂取がMS予防にも役立つ可能性が示されたことから、今回の結果を研究者は「カフェインには脳を保護する効果があるとする説を裏付けるもの」と解説。
出典:MS、コーヒー1日4杯で発症予防【米国神経学会】
このサイトではコーヒーに含まれるカフェインの効果とはっきり明記されていました。
アメリカの神経学会で発表された内容では、1日4-6杯で多発性硬化症の発症リスクに1.5倍の差という見出しで出ています。
ここからは、原文が英語の文献の和訳になります。
多発性硬化症は、体の免疫系が脳および脊髄の神経を攻撃し、損傷するときに生じる中枢神経系の自己免疫疾患とされている。
免疫細胞の脳および他の中枢神経系組織への浸潤は、健康な人にはめったに見られない。
免疫細胞がMS患者の中枢神経系組織に浸潤することを可能にしている物質は不明。だが、Bynoe博士の研究室では、研究結果からアデノシン分子が浸潤の原因物質であると確信し、アデノシンが、免疫細胞をMS患者の中枢神経系への浸潤を可能にする重要物質であるとした。
カフェインはすでによく知られてた、アデノシンレセプターブロッカーである。
中枢神経系に対するカフェインの刺激効果には、アデノシンと同じ受容体に結合する能力があるため、カフェインを投与するとアデノシンが細胞表面の特定の受容体に結合できない。
そのため、免疫細胞の中枢神経系組織への浸潤を阻害できると考えられる。出典:Caffeine prevents multiple sclerosis-like disease in mice
※アデノシン:睡眠とエネルギー産生に関与する分子
(長いので、原文は省略しました。)
カフェインでなぜMSを予防できるか、具体的な理由が書かれています。
Experts recommend no more than five cups of coffee a day.
↓
専門家は一日にカップで5杯以上のコーヒーを飲むことは推奨していません。
つまり5杯目はNGです
You may have heard that drinking coffee can prevent multiple sclerosis.That’s not exactly true. You can’t count on your morning latte to prevent MS.Drinking a lot of coffee may improve your odds, though.
≪中略≫
Caffeine stimulates your central nervous system. It can also ease inflammation of tissue there and help you keep those protective layers.
↓
あなたはコーヒーを飲むと多発性硬化症を予防できると聞いたかもしれません。
でも、それは真実ではありません。朝、ラテを飲んでもMS予防の効果は期待はできません。
しかし、多くのコーヒーを飲むことには、MS予防の可能性をあげることがあるかもしれません。
≪中略≫
カフェインは中枢神経系を刺激します。それはまたその組織の炎症を緩和し、保護層を保つのを助けることができます。
効果は証明されたものではないですよ、でも効果のある可能性はありますよ。
と言っています。
The benefits of drinking coffee are still being analyzed, while taking vitamin D has long been touted to help people with MS.
Some studies suggest that neuroprotective properties, like those found in caffeine, may actually help reduce the chance of developing MS.
出典:The Effects of Alcohol, Coffee, and Smoking on Multiple Sclerosis
↓
コーヒーを飲むことの利点はまだ研究中ですが、ビタミンDの摂取はMSの人々を助けるために長い間言われています
いくつかの研究は、カフェインに見られる神経保護特性が、実際にMSを発症する機会を減らすのに役立つことを示唆している。
このサイトでは、カフェイン以外に、食事についても書かれています。
効果を明言している報告は少ないです。
ただ、もともと原因のはっきりしない病である多発性硬化症。
コーヒーで予防できるなら、と集めた情報です。
コーヒーだけに偏らず、日々の生活も見直して、再発防止に努めます。
参考コーヒーを毎日6杯飲むと「多発性硬化症」に効果があった(調査結果)